【イベントレポート】さおり&さいこがお届け!30代から知っておきたい、女性の「健康・睡眠・妊活」リテラシー基本のキ!

4月13日(土)、 『UMU』を運営するライフサカス代表の西部沙緒里と、女性のためのメンタルケアサロンLIB Laboratory代表の今井さいこがコラボして、「健康・睡眠・妊活」をテーマにしたサロンセミナーを開催しました。
セミナーには、20~40代のさまざまなバックグラウンドを持つ女性が集まり、自身との対話はもちろん、ワークシェアを通じて多様な価値観に触れることで、大きな気づきを得ているようでした。
本レポートはさいこがお届けします。読者の皆さまにも、このレポートを通じて当日の現場の空気感を少しでも感じていただけましたら幸いです。

 


  イントロダクション

1)  アイスブレイク

まずは参加者同士の自己紹介。年代、職種/活動、参加の理由などをお話してもらいました。
この自己紹介の中で、「健康・睡眠・妊活」に対する日頃の意識を皆さんが自発的に語ってくれたことで「いろいろな立場の人がいるからこそ、この場では素直に意見を発信しても大丈夫なんだ」という空気感が生まれました。

2)  グラウンドルール

当日は主催者が発表する内容も含め、かなりプライベートの体験や価値観のシェアをする場であったため、
・医療情報の提供ではない
・相手の価値観や意見を尊重する
・プライベートな話はこの場限りのこととする

など、安心・安全な環境を作るためのグランドルールを参加者の皆さんと共有していきました。

 

  第1部:女性の「健康」リテラシー 基本のキ! :Presented by さおり

1)  働く女性と“サイレント・ダイバーシティ”

まず初めに、さおりが提唱する“サイレント・ダイバーシティ”の概念についての説明をしました。30代女性が「ヘルス・リテラシー」を身につけるべき理由に、皆さん深くうなずいている姿が印象的でした。

2)  働く女性の健康課題

働くことと健康課題を解決することは天秤にかけるものではなく、同時進行で考え、それぞれ個人で「ヘルス・リテラシー」を身につける必要があること、個人の問題を超えた社会課題でもあることを、さまざまなデータを用いて解説。
今まで知らなかった自身の健康課題や社会問題に多くの人が驚き、一生懸命メモを取ったり、スライドを写真に撮ったりしていました。

「個人だけの問題ではない、ということがわかりました」
「1人1人が変わらないと社会を変えることはできないと思いました」

といった感想が、対話の中で出てきました。

個人だけの問題ではないこと、だけど社会課題としてなかなか手が付けにくい問題でもあることの認識が広がり、1人ひとりが自分の課題として解決策を見出していくことで社会も変わっていくのではないか、と感じています。
今日参加した1人ひとりが周りの人にシェアして、その周りの人がそのまた周りの人にシェアしていく・・・ペイ・フォワード的に、課題意識が広がることを期待しています。

3)  「私」にできることは何か?

さおりの実体験を「もし私だったら・・・」という視点で見聞きするストーリーテリングのワークシェア。
途中、感情移入して涙を流す参加者も。
実際に体験しなければわからないことも多いものの、人の体験を自分事として捉え、考えることで新たな感情や感覚が生まれます。意見をシェアするパートでは、皆さんの思いや考えが溢れ出てきているご様子でした。

 

  第2部:女性の「睡眠」リテラシー 基本のキ! :Presented by さいこ

1)  心理カウンセラーが睡眠を重視する理由

メンタル不調の悪循環の説明と、睡眠改善によりその悪循環を断ち切った実例を紹介しました。メンタルケア(=心理学)と睡眠改善(=生理学)を掛け合わせることで生まれる相乗効果について、実際のクライアント様のお話をすることで、参加者にとってもメンタルケアが身近であることを感じていただけたと思います。

2)  「あなた」にとっての睡眠とは?

このパートでは、睡眠についての情報提供をしました。日本が不眠大国と言われる理由、日本の睡眠に対するリテラシーの現状など。そして、「睡眠を自身のパフォーマンスを引き出すために活かす」という考え方を提言しました。

3)  睡眠セルフチェックと改善のヒント

「眠った時間の長さ」で睡眠の良し悪しを計るのではなく、客観的な事実をチェックすることで今の課題点を浮き彫りに。
10個のチェックリストの中で課題が1つという人から、多い人は7つという人まで。漠然とした情報で自分の睡眠を解決するのではなく、自分の課題を知り、解決することの大切さを実感していただきました。
また、日常に取り入れられる睡眠改善のヒントを、各課題に合わせて解説しました。今まで知らなかった睡眠の基礎知識に皆さん驚かれると共に、どのように改善できるかを振り返る時間となりました。

 

  第3部:女性の「妊活」リテラシー 基本のキ! :Presented by さいこ&さおり

1) すべての人にある「生殖物語(*注)

参加者それぞれの中にある「生殖物語」を3~4人のグループでシェアしてもらいました。中には「私には生殖物語がない!」と衝撃を受ける方も(理論上は、全く「生殖物語」が存在しない方はいないと考えられるので、その方の無意識へさまざまなアプローチをすることで出てくるものと推察されます。今後の研究が待たれます)。
今回、ご自身の気持ちを深める時間までは取れなかったため、それぞれが気づいた「生殖物語」、そこからイメージしている自身のつくりたい家族像や今後の在り方などを考えるきっかけにしてもらいたい、と考えています。

(*注)生殖物語:生殖心理学の用語で、個人の無意識の中に存在する、幼いころから描いてきた家族像のことをいう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2) 子どもがいる人生・いない人生を考える

私たちは、社会のさまざまな価値観やその時々で自身が置かれる状況によって、本心がわからなくなることがあります。今回の妊活についてのお話では、「子どもがいる人生・いない人生」に対する「本当の想い」に気づいてもらうきっかけをつくりたい、と考えていました。それぞれの妊活は、その想いの上に成り立つものだからです。
参加者個人の価値観や感想をここに記すことは控えますが、シェアの中で個々の「想い」を語り、また多くの価値観に触れていただけたことは、とても意味のあったことだと感じました。

 
3)  妊活・不妊治療の実際

以上の前段を踏まえた上、一般的に30代女性が「子どもがほしい」と思ったときの選択肢や、実際にかかる時間・費用についての情報提供をしました。
妊孕率の話や不妊治療での出生率などの話は、どうしても私たちに「恐怖」を与えます。ですがこのパートで伝えたかったことは、「どんな状況下でも、“どう生きたいか”を持ち続けてほしい。そして、それは柔軟に変え続けていい」というメッセージです。「生殖物語」は書き換えて良いものだと、私たちは前提として考えます。理想はどうあれ、現実のこの目の前の人生が一番大切だと考えているからです。

 

  主催者からのメッセージ

さおりからは、「生きづらさ・働きづらさにふたをするのではなく、大切な『わたしたちの体』というテーマをオープンに、みんなのissueにしていこう」というメッセージを、
さいこからは「“辛い”気持ちに大小はない。小さな辛さもケアすることをあたりまえにしていこう」というメッセージを伝えました。

セミナー終了後、多くの参加者が名刺交換をしたり、シェアしたことの話を続けたりしている姿がありました。今回のセミナーを通じて、参加者同士でのよいつながりが生まれたことをとても嬉しく思います。
また、今後こうしたことをオープンに話せるコミュニティを希望される方も多く、活動を続けていく意義を見出すこともできました。

次開催についても検討しており、このテーマでの情報発信をこれからも2人で続けていきます。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。


文 / 今井さいこ、会場協力 / かくれ架BASE