【イベントレポート】 UMU×チームゼロイチ「すべての女性・男性と考えたい!自分のカラダのこと、人生の選択のこと」

8月20日(日)、 『UMU』を運営するライフサカス社と、”『自分のカラダのこと、もっと知っていればよかった!』のその前に”をキーメッセージに活動している、医療従事者からなるチームゼロイチが、1日限りのスペシャルコラボセミナーを開催しました。

セミナーは、
・いつかは子どもが欲しい?と聞かれたらYesな男性&女性
・自分のカラダのことをきちんと知りたい
・産む、産まない、いずれ向き合う人生の選択について知りたい
・目の前の仕事を頑張っているけど、将来を考える時間を取りたい
・キャリアと妊活を経験した人のリアルな声を聞きたい
・働く女性たちがどんな悩みを抱えているか知りたい
・そのときパートナーってどうしてるの?が気になる

こんな方たちににオススメ!としていたものの、一体どんな方が来てくださるのか、主催者一同ドキドキワクワクしながらイベントの日を迎えました。

 


  第1部:キャリア×自分のカラダ :Presented by “チームゼロイチ”

1)  アイスブレイク
まずは参加者同士、自己紹介。参加しようと思った理由などから、話が弾みます。



 

2) ライフプランの作成

参加者に手渡された一枚の紙。ライフプランを年表で書いてみる時間です。自分の年齢だけでなく、配偶者の年齢、親の年齢、子の年齢。同時に、キャリアプランや家族のライフイベントも書き込んでいきます。



 

制限時間いっぱいを使ってシートを書き終えたあとは、参加者で、内容や気づきを共有する時間。

 


 

「男性目線でしか考えておらず、産休育休の予定を入れるのを忘れていた。自分のことだけでなく、パートナーの予定もしっかり考えなければと思った」(男性)

「今年結婚をして、その相手は40歳。毎年一歳ずつお互いに年を取っていくことをリアルに感じ、子どもを5年後くらいにと考えていたけれど、それでは悠長すぎると気づいた」(女性)

という声が上がっていました。

 

当たり前のことですが、年齢は毎年重ねていくもの。とはいえ、毎年を重ねていった先の、将来の自分をリアルに思い描く機会はなかなかないのかもしれません。

続いてチームゼロイチメンバーの小児科医・三木崇弘さんから、統計データを使って、子どもは「いつでも」産めるわけではないこと、卵子年齢には限界があることが示され、それを踏まえたライフプランの提案がありました。

 

 

3) 助産師の話

チームゼロイチメンバーの助産師・麓杏奈さんから、「妊孕性」に関する話が続きます。



 

まず、イギリスのカーディフ大学が率いた妊娠に関する調査から、「妊孕力(妊娠のしやすさ)知識テスト」を参加者全員で行いました。答え合わせののち、日本は不妊に関する知識が、国際的に見ても著しく低いという調査結果がシェアされます。



 

知識が少ないということは、現実を踏まえた人生設計を立てづらいということ。なんとなく、「まだ産める」「今はまだ焦らなくても、きっといつか」と思ってしまうことのリスクを麓さんは説明します。

実際には、女性の妊孕力は35歳の手前でガクッと下がり、その後は毎年妊娠率は減少し、流産率は上がってしまうことがわかっています。

 

麓さんは言います。

30代は仕事もおもしろくなり、大事なことが目一杯ある時期。でも、出産について考えることを後回しにしたら、後悔が残ってしまうかもしれない。

助産師としてたくさんの母親を見て思うことは、年齢によって出産は全く変わるということ。分娩の所要時間、育児への取り組み方、母乳の出方。

 

選択はその人のものだし、「絶対に出産すべき」とも思わないけれど、後から「あの時もっとしっかり考えていれば!」という後悔をしないように、少しでも若いうちに現実を見据えて真剣に向き合ってもらいたい。男性も自分ごととして、パートナーと一緒に真剣に考えてもらえれば、と。




 

 


  第2部:キャリア×人生の選択 :Presented by “UMU”

1)UMUが贈る、人生の話(木村史子)

 

UMUにも登場してくださった、木村史子さんは、不妊治療を経て長女を出産。現在は不妊ピア・カウンセラ―、妊活コーチとして活躍する一児の母です。

結婚してからもバリバリ仕事をしていた20代を経て、30代。まだまだ仕事がおもしろく、すぐに不妊と向き合えなかった自分のこと。「不妊」と決められるのが怖かった気持ちや、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や卵管癒着がわかった時のこと、仕事との両立の大変さ、周りからのサポート。明るく、時にユーモアを交えて率直にお話しくださいました。

 

不妊治療中は、自己肯定感が揺らいでしまったり、人の幸せを喜べなくなってしまったりもする。ご自身のつらかった経験を、今は客観的に明るくお話しされる木村さんですが、そこに至るまでの心の揺らぎや葛藤が会場にシェアされます。

 

そのリアルな経験談に、参加者のみなさんがじっと聴き入ります。

 

最後は、「自分の人生、後悔しないようにしてほしい」「辛いときは、周りを頼って。今は、不妊治療中の人たちを支える窓口がたくさんあるから」というメッセージで締めくくられました。

2)UMUが贈る、人生の話(黒田朋子)

続いて、UMUを運営する(株)ライフサカス共同創業者の黒田朋子のライフヒストリー。

 

 

2011年5月のある日。突然「急性白血病」の疑いを告げられたところから、彼女の人生は一変します。

何が起きているのかわからないまま、死にたくない一心で治療を続けたときのこと、急性白血病の治療が原因で不妊になると知ったときのこと、治療の合間にクリニックに行き、卵子凍結をしたときのこと。

 

妊娠できなくなったとしても「生きられるからいいでしょ」と言った主治医への憤りや、一年半の入院生活の支えになった刺繍のこと。壮絶な体験を経てたどり着いた、「誰かのために生きたい」という想い。

人生何があるかわからないし、起きてしまうことは、選べない。不運なことだって、時に起きる。だけどそのなかでも、自分の「箱」から飛び出して、見える景色を変えることはできるはず。

 

そんな想いから、(株)ライフサカスを、そしてUMUを立ち上げたことなどが語られます。

 

いいことばかりは続かないけれど、悪いことばかりも続かない。人生は計画通りにいかないけれど、何が起ころうと、できれば「楽しみ」を見つけてみませんか。自分のこと、好きになってみませんか。

 

最後に、そんなメッセージが送られました。


イベント終了後、アンケートではこんな意見が寄せられました。

・詳細なライフストーリーを聞くことで、自分のライフイベントを振り返るきっかけをもらいました。また、今独身ですが、パートナーがいるため妊娠について考えていきたいと思いました(20代女性)

・遠方からはるばる来てよかったです。あまり周りの子は自分の将来を考えている感じではないけど、やっぱり自分の未来は自分で考えて作っていきたいと思いました。ありがとうございました!(20代男性)

・幸せ、と言われることは、人によって違って、「自分で選択する」「納得する」ことを大事にしたいと思った(30代女性)

 

 


参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

UMUではこれからも、さまざまなイベントを企画しています。詳細は、facebookページやUMUで告知しますので、ぜひチェックしてみてください。

写真 / 内田英恵、会場協力 / NagatachoGRID